旅館・ホテルのインバウンド問い合わせ対応をAIで進めるとは、外国語で届く質問のうち館内案内・周辺案内・よくある質問までをAIに一次回答させ、予約の変更やキャンセル料、宿泊者名簿・旅券にかかわる判断は人が受け持つ、と範囲を先に決めることです。
「英語のメールが来るたびに、手が止まる」「予約サイトのメッセージに、翻訳しながら返している」。旅館やホテルの経営者・女将さんから、こうしたご相談をいただくことがあります。ただ、インバウンド対応の記事が最初に勧める答えは、たいてい「外国語ができるスタッフを配置する」です。人を採れるならそれが早い。問題は、採れない宿や、採っても通年では抱えられない宿のほうが多い。この記事は、そちらの宿のために書きます。
なお、宿のAI活用の全体像は「観光・宿泊業のAI活用。旅館・ホテルの始めどころ」にまとめています。口コミ返信・客室QR・需要予測・SNS発信はそちらに譲り、本記事はその中の「②多言語対応」だけを掘ります。
延べ宿泊者数は増えていないのに、外国語の問い合わせだけ増えた
観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年(令和7年)年間値・速報値(2026年2月27日公表)によると、外国人延べ宿泊者数は1億7,787万人泊で、前年比プラス8.2%。過去最高の水準です。一方、日本人も含めた延べ宿泊者数の全体は6億5,348万人泊で、前年比マイナス0.8%でした。
この2つを並べると、現場の実感の正体が見えます。延べ泊数の合計は増えていない。増えたのは、外国語で問い合わせてくるお客様の割合のほうです。 多くの宿にとってインバウンドは「新しい客層が上に積み上がった」のではなく、「日本人客が減った分を埋めている」。泊数が伸びないなかで、対応する言語の幅だけが広がる。これが、いま宿で起きている構造です。客室単価が上がって売上が伸びている宿もありますが、単価が上がっても問い合わせ1件あたりの手間が減るわけではありません。
数字は改善。でも、人手不足が解消したわけではない
では人手そのものはどうか。結論から言えば、改善している指標はあります。ただし、宿泊現場の人手不足が解消したとは言えません。
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」(2026年4月)では、「旅館・ホテル」の非正社員の人手不足割合は38.5%でした。2024年4月に63.8%、2025年4月に51.8%、2026年4月に38.5%と下がり続け、2022年2月以来4年2カ月ぶりに3割台に落ちています。非正社員の人手不足割合の業種別ランキングで、かつてトップにあった旅館・ホテルは、いま10位です。
調査は全国2万3,083社を対象に、有効回答1万538社。帝国データバンクは低下の背景として、DXやスポットワークの普及による生産性向上のほか、物価高の影響や中国人観光客の減少によって来客数が落ち着いてきていることを挙げています。全業種では非正社員28.3%・正社員50.6%ですから、旅館・ホテルはまだ平均より上にいます。
一方、観光庁「令和8年版観光白書」の宿泊施設調査では、72.2%が「人手不足の状況にある」と回答しました。調査時期は2025年12月から2026年1月、回答は522施設。年間売上高1億円未満の小規模施設に限っても66.0%です。
2つの数字は、調査対象も質問も違います。38.5%は「非正社員が不足している」と答えた企業の割合であり、正社員や部門別の不足まで解消したことを示しません。したがって「宿泊業の人手不足が年々ひどくなっている」と一本調子に書くのも、「人手不足は解消に向かっている」と書くのも不正確です。非正社員の不足感は改善した。一方で、宿泊施設全体では7割超が人手不足と答えている。 ここまでが、いま言えることです。
そのうえで、この記事が扱うのは人手不足全体の代わりをAIにさせる話ではありません。多言語と時間帯の穴を、採用だけに頼らずどう埋めるかです。人を一人採っても、すべての言語と深夜の問い合わせまで一人で担うことはできません。頭数の不足が残る現場でも、定型的な外国語対応を切り出せば、人にしかできない接客へ時間を戻せます。
「外国語ができる人を採る」の前に確かめること
インバウンド対応の解説はたいてい「外国語対応スタッフの配置とトレーニング」を対策の筆頭に挙げます。ただ、その一行の裏には「人を採れる会社」という前提があります。
私たちが人手不足の相談を受けたときに最初に確認するのは、「その人を入れたら、稼働率と売上がどれだけ上がるか」の根拠です。人を入れたのに売上が伸びなければ、赤字が広がるだけだからです。 いちばん避けたいのは、売上は伸びたのに、伸びた分が仕入れと人件費で消えて粗利が変わらないパターンです。忙しさだけが増えて、手元に残るお金は同じ。これは実際によく起きます。
宿は、この論点が他業種より効きます。季節変動が大きいからです。正社員を一人入れれば、閑散期にも同じ固定費が発生します。年間の平均稼働で採算が合っていても、稼働が落ちる月に人件費を払い切れるかは別の問題です。
実際に、そこで止まった相談があります。ある地方の宿坊は、夏場の閑散期に稼働が6割ほどまで落ちます。インバウンドを伸ばす構想の中で、日本語が話せる外国人スタッフを雇い、メール対応から旅程の作成、各施設への問い合わせまで担ってもらう案を検討しました。案そのものは筋がいい。海外のお客様の窓口が一本化され、旅程まで組めるなら単価も上げられます。それでも最後まで解けなかったのが「多言語運営体制のコストと採算」でした。閑散期に稼働が大きく落ちる事業で、通年の人件費を抱えきれるか。ここに答えが出せず、構想のまま残っています。
人を採る案が悪いのではありません。順番の問題です。確かめることは3つに絞れます。
- いま来ている外国語の問い合わせが月に何件あるかを数える(数え方は後述の手順1)。件数が分からないまま採用は決められません。
- そのうち「毎回ほぼ同じ答えを返している質問」が何割かを見る。宿では定型が相当な割合を占めることが多いので、体感ではなく実測してください。
- 定型を機械に渡したあとに残る量が、人を一人抱えるのに足るかを見る。足りるなら採る。足りないなら、まず定型のほうを外す。
順番を逆にすると、せっかく採った人の時間の大半が定型の返信で埋まります。人を減らす話ではありません。いまいる人数のまま、対応できる範囲を広げる。出発点はそこに置きます。
問い合わせのどこまでをAIが答えられるのか
任せる範囲と、人が出るべき範囲を先に決めます。ここを曖昧にしたまま入れると、事故が起きるか、誰も使わなくなるかのどちらかです。
| AIに任せやすい問い合わせ | 人が出たほうがいい問い合わせ |
|---|---|
| 大浴場の時間、アメニティ、Wi-Fiのつなぎ方 | 予約の変更・取消とキャンセル料の適用 |
| 最寄駅からの行き方、送迎バス、周辺の飲食店 | 部屋の割当や特別対応をのむかどうか |
| チェックイン時刻、喫煙、入浴のルール | 料金の個別交渉、団体の見積 |
| 食事の提供時間・会場・基本メニューの案内 | アレルギー・宗教上の食事制限(一次案内を含む) |
| 決済手段、荷物の預かり、駐車場 | 宿泊者名簿・旅券にかかわる本人確認 |
| 周辺観光の提案、雨の日の過ごし方 | 体調不良・事故・強い苦情への対応 |
分け方の基準は、間違えたときに何が起きるかです。左側は間違えても言い直せばすみます。右側は、間違えるとお金か健康か法令に直接ぶつかる。だからアレルギーや宗教上の食事制限は、一次案内であっても右側に置きます。「小麦は入っていません」と機械に言わせない、という一線です。
宿の側から見ると、この線引きはやりやすいほうです。館内案内・周辺案内・よくある質問は、誰に見せても困らない情報だからです。金融や医療のように、始める前に長い確認を要する領域ではない。最初に手をつける業務でお客様の個人情報を扱わずに済む。ここが宿の入りやすさです。
そのうえで、誇張せずに書いておきます。AI翻訳は人間の通訳と同等ではありません。郷土料理の名前、館内独自の呼び名、地名、宿の格式に合わせた敬語のニュアンス。この辺りは崩れます。だから当社は、答えを自社の資料に書いてあることの範囲に閉じる設計にします。一般論を拾ってこさせるのではなく、宿が持っている案内文・パンフレット・過去の返信を根拠に答えさせる。実際、当社が構築した観光・サービス業の事例では、施設側の資料300〜800ページ分を読み込ませたうえで、16言語の一次回答を24時間365日担わせています。スタッフは判断が要る対応に時間を使えるようになりました(構築の中身と費用の型は「AIエージェントの導入事例4選」に書いています)。
チャットボットの種類(シナリオ型・生成AI型・エージェント型)や、LINEとWebで頭脳を共通化する設計は「中小企業のチャットボット導入ガイド」に譲ります。
手をつける順番|館内案内から始めて、予約には触らない
一つ、正直に開示しておきます。当社が観光業にAIを提案するときの標準的な順番は、①需要予測 ②価格最適化 ③多言語対応です。多言語は、私たちの標準提案では3番目です。 稼働率と客単価に直結する順に並べると、こうなるからです(①②は親記事「観光・宿泊業のAI活用」で扱っています。そちらでは「まず口コミ返信から」と書きました。あれは着手のしやすさ順、ここでの並びは稼働率と客単価への効き方順です)。
そのうえで申し上げると、いま外国語の問い合わせが実際に痛いなら、3番目から入って構いません。順番は教科書ではなく、痛みの場所で決めるものです。ただし入り方には条件があります。個人情報に触らない範囲、つまり館内案内・観光案内・よくある質問から入ること。ここを守れば、失敗しても失うのは時間だけで済みます。
順番は次の5つです。
- 1ヶ月分の外国語問い合わせを集める。メール、予約サイトのメッセージ、フロントの電話メモ。集めて定型と個別に印を付けるだけで、設計資料になります。ここを飛ばすと後で効果を測れません。
- 日本語の案内原稿を整える。実はここが一番時間がかかります。館内の設備・ルール・食事・周辺情報を、宿の言葉で一度書き切る。多言語化はそのあとの工程で、この原稿はAIをやめても手元に残る資産になります。
- 頭脳は1つのまま、最初に公開する窓口だけを1つに絞る。自社サイトの問い合わせか、客室のQRコードか、どちらか一方から。同時に複数チャネルへ公開すると、問題が起きたときに原因が分からなくなります(1つの頭脳で複数チャネルに供給する設計自体は可能なので、順に開けばいい)。
- 答えられなかった質問を毎週見て、原稿に足す。稼働直後は必ず想定外の質問が来ます。数週間これを回すと答えられる範囲が広がっていきますが、広がり方は感覚ではなく件数で確認してください。
- 削減できた時間を数字で確認してから、次を判断する。予約や名簿に踏み込むかどうかは、ここまでの数字を見てから決めます。
一気に全部やらせない理由は、実務で繰り返し見てきた現実があるからです。要件をたくさん盛り込んで作っても、実際に使われるのは要望した機能の3割程度。残りの7割は、払ったお金ごと眠ります。最初に任せる業務の絞り方は「AIエージェントに最初に任せる業務の選び方」に整理しています。
宿泊者名簿はどこから個人情報か|AIに渡してよい情報の線引き
「うちは個人情報を扱うから、AIは怖い」という声をよくいただきます。線引きをはっきりさせておきます。
宿泊者名簿は、旅館業法で作成・保存が義務づけられています。さらに厚生労働省は、日本国内に住所を有しない外国人宿泊者について、宿泊者名簿の国籍および旅券番号の欄への記載を徹底し、旅券の呈示を求めるとともに、旅券の写しを宿泊者名簿とともに保存することとしています。宿の側に法令上の義務がある領域です。
一方、館内案内・周辺の観光情報・よくある質問は、誰に見せても困らない情報です。パンフレットに書いてあることと同じ。名簿に載る情報を、チャットの側で扱わない——この一線を引くだけで、始めるときの検討は大幅に軽くなります。
実務で必ず出てくるのが、お客様が自分から名前や予約番号を書き込んでくるケースです。これは止められません。対処は難しくなく、①予約情報を参照して答える機能を最初は作らない(予約の話が出たら人に引き継ぐ)②会話ログの保存期間と、見られる人を決めておく、の2つです。書き込まれること自体は避けられないので、その先で使わない設計にします。
なお、AIに入れた情報が学習に使われるかどうかの境界は、「無料か有料か」ではなく「個人向けか法人向けか」です。個人向けは有料でも初期設定では学習に使われ得ますが、設定でオフにできます。法人向けやAPI経由の利用は、学習に使われないのが一般的です。「一定期間保存される」ことと「学習に再利用される」ことも別の話です。考え方は「社内情報をAIに入れても大丈夫か」にまとめています。
旅館・ホテルのフロントを無人にできる条件は2025年4月に変わった
深夜の外国語対応を考えると、必ずチェックインの話に行き着きます。ここは制度が動いたので、押さえておく価値があります。
厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」が令和7年3月11日に改正され、令和7年4月1日から施行されました。変わったのは本人確認のやり方です。フロントでの対面による本人確認の代替方法として、「自動チェックイン機器等を通じた情報の照合による本人確認」が新しい類型として追加されました。この類型では、従業員との面接は必要とされていません。従来の「ビデオカメラ等による従業員の本人確認」との選択制になりました。あわせて、日本に住所を有しない外国人の旅券の保存についても、自動チェックイン機器等による電子的な保存を含むことが明確化されています。
ただし、都合のいい話だけではありません。玄関帳場やフロントを設置しない場合には、緊急時に「通常おおむね10分程度で職員等が駆けつけることができる体制」などの要件を満たす必要があります。徒歩圏に人がいる本館併設ならともかく、離れた別館や分散型の施設では、この条件がそのまま設計の制約になります。自治体によっては条例等の改正が必要な場合もあるため、所轄の保健所への確認が前提です(厚生労働省の資料にも明記されています)。
経営判断としてはこう読むのが実務的です。無人化が解禁されたのではなく、フロントに人を立たせ続けなくてよい選択肢が一つ増えた。その選択肢には、駆けつけ体制という別のコストが付いてきます。多言語チャットとチェックイン機は役割が違う(チャットは案内、機器は本人確認)以上、設備投資を伴わない案内側から始める順番は、この点でも理にかなっています。
宿の多言語問い合わせ対応|費用と期間の目安
金額の桁を先に示します。以下は、当社が実際に見積・構築してきた範囲での目安です。
- すでに契約している道具に載せる:予約管理システムや翻訳ツールにAI機能が載り始めているので、そのオプションを使う場合は月数千円台に収まることが多い(法人向け生成AIそのものの席課金は1人あたり月3,000〜5,000円台)。まずは今払っているものの棚卸しから。
- 自社向けに作る(個別構築):1機能に絞れば数十万円規模から。複数業務にまたがる作り込みになると数百万円規模です。
- 基幹システムとの連携を含む大規模開発:1,000万円超。宿の多言語問い合わせ対応で、最初からここに行く必要はまずありません。
期間の感覚も添えます。1機能に絞れば、構築後の数週間から数ヶ月の実運用で、削減できた時間を数字で確認できます。 測る指標は2つで十分です。外国語の問い合わせのうち人が一度も触らずに済んだ件数と、一次回答までにかかった時間。この2つが動かないなら、範囲か原稿のどちらかに問題があります。
見落とされがちな費用が2つあります。前章の「日本語の案内原稿を整える」工程にかかる社内の時間と、運用費です。作って終わりの見積は不完全なので、月々の運用費と更新の手間まで含めて比べてください。内訳や見積の読み方は「AIエージェント導入の費用相場と進め方」に譲ります。
補助金では、中小企業省力化投資補助金(一般型)が、人手不足の解消に効果があるデジタル技術等を活用した設備投資を対象としています。宿の多言語対応も設計次第で候補になります。ただし補助率・補助上限・対象範囲は公募の回ごとに変わるため、必ず最新の公募要領で確認してください。制度の考え方と申請でつまずく点は「AI導入に使える省力化投資補助金の考え方と注意点」に整理しています。当社では見積の段階で、適合の見立てまで含めてご案内しています。
SaaSで足りる宿と、構築が要る宿
自社で道具を選んで進めるか、外に頼んで作るか。基準は一つに集約できます。「よそでも同じ答えになる質問」が中心ならSaaS、「うちの宿でしか答えられない質問」が多いなら構築です。
SaaSで足りる可能性が高いのは、こういう宿です。
- 質問が館内設備・チェックイン・アクセスなど定型に収まっている
- 予約システムやOTAのメッセージ機能をすでに使っていて、多言語機能が載り始めている
- 客室数が限られ、外国語の問い合わせが月に数十件の規模
構築が候補になるのは、こちらです。
- 館内の体験プログラム・食事・歴史の説明が独自で、資料が数百ページある
- Web・客室QR・OTAのメッセージ・LINEと窓口が複数あり、答えを揃えたい
- 周辺の観光案内まで、自宿の言葉と目線で答えさせたい
順序としては、いま払っているシステムに載っているAI機能の棚卸しが先です。新しく買う前に、すでに払っている範囲でできることが残っていないかを見る。そこで足りないと分かってから相談に来ていただくほうが、結果的に安く済みます。
よくある質問
Q. 英語ができるスタッフが一人もいませんが、始められますか。 始められます。翻訳は機械が担いますが、答えの中身を用意するのは宿です。日本語で館内案内やよくある質問を書ける人が一人いれば足ります。最低条件は、出す答えが正しいかどうかを日本語で確認できる体制があることです。
Q. AIの訳文を、お客様にそのまま出して大丈夫ですか。 出す範囲を決めれば実用に耐えます。館内や周辺の案内は、多少表現が硬くても実害が出にくい領域です。一方、料金・キャンセル・アレルギー・法令にかかわる回答は、人が確認してから出す運用にしてください。間違いがお金・健康・法令に直結する質問だけを人に回す、という切り分けが現実的です。
Q. 何語から対応すればいいですか。 自宿の予約データとOTAの国籍構成を1ヶ月分見て、上位2言語と英語から始めるのが現実的です。英語は、上位に入らない国籍のお客様の受け皿にもなります。生成AI型の仕組みなら、言語を足すときの手間の大半は翻訳ではなく元になる日本語の案内原稿の側にあります。まず英語で答えの中身を固め、原稿が安定してから言語を広げるほうが、やり直しが少なくて済みます。
Q. 予約サイト(OTA)のメッセージにも自動で返せますか。 サイトによって外部システムとの連携可否や提供機能が異なります。まずは自社サイトの問い合わせフォームや客室のQRコードなど、自社で完結する窓口から始めるのが確実です。OTA側への展開は、各社の規約と提供機能を確認したうえで判断します。
Q. フロントに人を置いたまま、深夜の外国語問い合わせだけ減らせますか。 できます。案内の自動応答とチェックインの本人確認は別の仕組みなので、フロント運用を変えないまま案内側だけ先に着手できます。無人化まで踏み込むかどうかは、緊急時におおむね10分程度で職員等が駆けつけられる体制を、実際に組めるかどうかです。本館併設で夜間も人が近くにいるのか、離れや分散型で駆けつけに時間がかかるのか。ここが実質の分かれ目になります。自治体によっては条例等の改正も要るため、所轄の保健所への確認が先になります。
Q. 導入前に何を数えておけばいいですか。 2つだけです。1つは1ヶ月分の外国語問い合わせ件数を、メール・OTAのメッセージ・電話メモとチャネル別に数えること。同時に、定型か個別かの印を付けておきます。もう1つは一次回答までの時間で、受信時刻と最初の返信時刻の差を10件ほど拾えば十分です。この2つを着手前に取っておかないと、あとから効果を比べられません。
まとめ
- 観光庁の2025年年間値では外国人がプラス8.2%、宿泊全体はマイナス0.8%。延べ泊数は増えず、外国語の割合だけが増えている
- 非正社員の不足感は38.5%まで改善した一方、観光庁調査では宿泊施設の72.2%が人手不足。解消したとは言えない
- 人を採る前に、外国語の問い合わせ件数・定型の割合・残る量の3つを数える。宿は季節変動が大きく、通年の固定費が重い
- 始めるのは館内案内・観光案内・よくある質問から。予約と宿泊者名簿には最初は触らない
- 費用は1機能に絞れば数十万円規模から。数週間〜数ヶ月の実運用で削減時間を確認してから広げる
ご相談ください
AI Advanceは甲府を拠点に、中小企業のAI導入を経営とシステムの両面から支援しています。宿の多言語問い合わせ対応のような「1機能に絞った構築」は「AIエージェント構築・運用」でお受けしています。
「うちの問い合わせ件数だと、作る意味があるのか」——その見当をつけるところからご一緒できます。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。